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SUUMO住みたい街ランキング2021 関西版の総合1位は4年連続「西宮北口」に
2021年3月17日に「SUUMO住みたい街ランキング2021関西版」が発表されました。
春の訪れを感じる不動産業界恒例の企画で、調査期間が年末から年明けということもあり、withコロナの影響による各種調査ランキングの変動など、興味深いプレスリリースでした。
【関西】住みたい街(駅)ランキング<総合>のトップ10
- 1位 西宮北口(阪急神戸線)
- 2位 梅田(地下鉄御堂筋線)
- 3位 神戸三宮(阪急神戸線)
- 4位 なんば(地下鉄御堂筋線)
- 5位 天王寺(地下鉄御堂筋線)
- 6位 夙川(阪急神戸線)
- 7位 千里中央(北大阪急行)
- 8位 岡本(阪急神戸線)
- 9位 京都(JR東海道本線)
- 10位 江坂(地下鉄御堂筋線)
【関西】住みたい街(駅)ランキング、2021年の結果は、7位まで前年と同じランキングで、トップ10に関しては細かな順位変動こそあるものの、ここ3年間、同じ顔ぶれの“常連組”が揃い踏みした結果となりました。※沿線名はプレスリリース表記ママ
【関西】住みたい街(駅)ランキング、人気の傾向ははっきりとしています。
- 京・阪・神の都心部、大阪・京都・三宮へ30分以内の快適アクセス
- 阪急神戸線、地下鉄御堂筋線が人気沿線
- トップ5の駅は、複数沿線が乗り入れる大きなターミナル駅で大型商業施設が駅直結、あるいは近い
- 大阪市内中心部、北摂、阪神間エリアに集中
調査結果として改めて確認すると、当然ですが交通利便性と生活利便性が高い場所ばかりがランクインしています。
【関西】住みたい街(駅)ランキング、8年連続1位の「西宮北口」は、阪急神戸線の特急停車駅で、阪急西宮ガーデンズなどの大型商業施設や、山や海などの自然を近くに感じられる住宅環境を考慮すると、当面は1位の座を譲り渡すことはなさそうです。
総合1位に4年連続で輝いたことも納得の結果です。但し、トップ10にランクインした各駅の新築分譲マンション価格の相場は当然高くなり、購入ハードルも上がります。
西宮北口をはじめ、トップ10に名を連ねる常連組は、関西圏では“住んでみたい憧れの街”としての地位を確立したとも言えます。
【関西】穴場だと思う街(駅)ランキング、JR尼崎が3年連続1位の”微妙な快挙”を達成
さて、個人的に毎年楽しみにしている【関西】穴場だと思う街(駅)ランキング、こちらも尼崎(JR東海道本線)がダントツで3年連続1位の座に輝きました。【関西】住みたい街(駅)ランキング<総合>では32位にも関わらず、なぜ「不動の穴場」としての地位を築いているのでしょうか。
ここで言う穴場とは、交通利便性や生活利便性が高いのに、家賃や物価が割安なイメージがある駅、の意味合いになります。
実際に新快速利用・快速利用など最短で「大阪」駅へ1駅5分、「京都」駅へ4駅35分、そして「三ノ宮」駅へ2駅15分と、関西を代表する各主要都市へダイレクトアプローチが可能。※交通所要時間は日中平常時のもので時間帯によって多少異なります。
さらには「大阪国際空港」「関西国際空港」へのアクセス性にも優れているなど、オンとオフともにアクティブライフを叶えられる環境にあります。尼崎駅周辺も再開発により美しく整備され、あまがさきキューズモールや阪神百貨店・あまがさき阪神などの大型商業施設をはじめ、医療施設や金融機関など、日々の生活を円滑にする施設が集積しています。
そして総合体育館、陸上競技場、野球場、テニスコートなどを有する尼崎市記念公園をはじめ、潮江緑遊公園、潮江公園など自然に恵まれた環境です。
このように尼崎(JR東海道本線)のスペックは非常に高いものがあります。実際、国内最大手の住宅ローン専門金融機関であるアルヒ株式会社による本当に住みたい街大賞2018 in関西では尼崎(JR神戸線)が堂々の第1位に輝いています。※JR神戸線:公式サイト表記ママ。JR東海道本線に含まれる区間。
関西屈指の“穴場”尼崎、コロナ禍で求められる条件も満たすポテンシャル
新快速利用で大阪、京都、三ノ宮の「京・阪・神」の3大都心へダイレクトアクセスを誇り、医療施設や自然にも恵まれた立地環境の尼崎(JR東海道本線)。
新築分譲マンションとしての訴求は十分過ぎるほど備えているのに、なぜ【関西】穴場だと思う街(駅)ランキングで3年連続1位にも関わらず、【関西】住みたい街(駅)ランキングでは32位と30位圏内すら逃してしまうのでしょうか-。首都圏の皆様は特に不思議に思っていることでしょう。やはり、かつてのイメージが色濃く残っているからではないでしょうか。
JR尼崎駅北側には、1918年(大正3年)に「神崎工場」として建てられ、1996年まで78年間にわたり操業した広大な敷地のキリンビール「尼崎工場」など、昭和を中心に工場の煙突が林立し、労働者が行き交う工場エリアとして認知されていました。
また、全国区の人気を誇るお笑い芸人ダウンタウンの出身地でもあり、しばしば(昭和時代を中心に)尼崎の街の雰囲気を面白おかしくネタにしていたことも、影響しているかもしれません(笑)。令和3年の今、街は再開発で見違えるように綺麗になり、JR尼崎駅周辺には大規模マンションが数多く建設され、住宅街としてのイメージも浸透しつつあります。現在進行形で大規模な新築分譲マンションが販売されており、2021年も新築分譲マンション開発は進むことでしょう。
かつて確立したイメージを覆すことや、新たなイメージを受け入れることは難しいが、時間とともに令和の尼崎イメージも出来上がることでしょう。
さらに、【関西】コロナ影響による「理想的な街」への意識変化、の上位もこのような結果となっており、
- 1位 医療施設が充実している(病院や診療所など)
- 2位 歩ける範囲で日常のものはひととおり揃う
- 3位 一回の外出で複数の用事を済ませられる
- 4位 徒歩や自転車での移動が快適だ
- 5位 行政サービスが充実している
このように、尼崎(JR東海道本線)エリアは、コロナ禍で求められる「理想的な街」の条件もクリアしていることから、今後の展開が楽しみでもあります。
本記事のまとめ
井口克美の”住まいるup”、vol.3 住みたい街ランキング2021関西版発表、3年連続「穴場」1位のJR尼崎のポテンシャル、いかがでしたか?
SUUMO住みたい街ランキング2021 関西版、【関西】住みたい街(駅)ランキングでは交通利便性と生活利便性に優れた魅力的な街として確立している“常連組”が揃い踏みするなど、不動の人気を誇っています。【関西】穴場だと思う街(駅)ランキングで3年連続1位の尼崎(JR東海道本線)が、2022年の発表時にはどこまで【関西】住みたい街(駅)ランキングで躍進できるか、また、【関西】穴場だと思う街(駅)ランキングで3年連続1位の“微妙な快挙”を4年連続に更新するのか、あるいは、穴場の冠とサヨナラするのか、興味は尽きません。
【関西】穴場だと思う街(駅)ランキングの4位に塚口(阪急神戸線)、5位に武庫之荘(阪急神戸線)がランクインしていますが、どちらも尼崎市で人気沿線です。塚口駅前は再開発が進んでおり、更なる発展が期待されています。このようなことから、穴場だと思う街(駅)にランキングされることは「尼崎市」自体が抱える課題と言えるでしょう。
尼崎市は兵庫県姫路市と並び、【関西】住みたい自治体ランキング<総合>では22位にランクイン。決して低いわけではありませんが、もう少し上位にランクインするポテンシャルは十分に秘めています。
尼崎市に建設される新築マンションは、かつてのイメージの影響を受けやすい状況でもあります。
新築分譲マンション販売においては、地道にかつ丁寧に、今の街並みや充実の医療施設、公園、買い物環境など、コロナ禍で求められる条件もクリアするほどの暮らしやすさを備えている点をアピールする必要があるでしょう。
特に昔のイメージが色濃く残るご高齢世代のお客様には、尼崎市の街並みや生活環境を直接、肌で感じていただくことも有効でしょう。実際に尼崎市の新築分譲マンションの売れ行きは好調です。街は時代とともに変化し、人々のイメージや評価も変わっていくものです。令和の時代、秘めたるポテンシャルとともに尼崎の更なる躍進に期待しています。
井口克美の”住まいるup”
オウンドメディア「crel@b(クリラボ)」の住宅評論家コラム。「関西の不動産業界のことならお任せ」の住宅評論家・井口克美氏が、「新築マンション事情」「戸建て事情」「首都圏と近畿圏の違い」「業界あるある」など、様々な角度から真面目に、時には面白おかしく皆様の「住まい」と「スマイル」のアップをお届けします。一般社団法人住まいる総合研究所代表理事。